第16章 お風呂場騒動
月島side
目の前の葵は、笑うのを耐えてくの字になったりしている
その光景がまた面白くて、もっといじめたくなる
月島
「ねえ、葵
やめて欲しい?
やめてくださいって言ってくれたらやめてあげるけど?」
葵
「やっ、やめてくらさい…っ」
月島
(やめてくらさいって………
何かもう、誘ってるようにしか聞こえないけど///)
「あ、喋った」
葵
「!?
ずっ、ずるい………」
月島
「じゃあ、お仕置きね」
葵の肩がワナワナと震える
怒っているのか、怯えているのか
僕にはわからない
けど、今の僕には関係ない
月島
「じゃあ、これから僕の事『蛍』って呼んでもらおうかな」
葵
「へ?」
月島
「なに?もしかしてもっと別の期待してたの?
強引にキスでもして欲しかった?」
葵
「なっ!そんな訳ないでしょっ!!
お仕置きって、瞬間的なものじゃないの?!」
月島
「別に出来ないならバラすけど」
葵
「脅迫!!?」
月島
「ほら、呼んでよ」
耳元でささやく
本当は『お仕置き』というものにのっかって、名前で呼んで欲しかっただけだけど
葵
「け、………蛍///」
月島
「え?声小さくて聞こえなかった〜」ニヤッ
葵
「聞こえたくせにっ」
下の名前で呼ばれただけで
こんなにもドキドキするのか
葵
「もう戻るっ!眠いし」
そう言って、戻っていくとすぐ寝てしまった
僕はしばらくその寝顔を眺めていた
葵
「やだ………まだ…バレー……したい…」
寝言でそう呟く葵の瞳には涙が浮かんでいた
それを指ですくう
どんな夢を見ているんだろう
なんで、バレーに打ち込めるんだろう
すくった涙を舐めて
僕も眠りについた