第14章 もう一人の天才
日向side
昔見た、春高
バレーのルールなんか知らないけれど、テレビの中で「小さな巨人」と呼ばれる人は凄いと思った
汗いっぱいで……
苦しそうで………
それでも何回でも跳んで、点をとっていた
仲間に背中を叩かれたり、ハイタッチしたり、きっとあれが
仲間からの"信頼"というやつだったんだ
この人なら、決めてくれる
そう皆が思ったから、あの小さなエースに繋いだんだ
そして、きっとアサヒさんも同じだ
俺も、あんな風になりたい――
アサヒさんみたいに身長とか、パワーがあれば…………
俺だって…………なれたのかな?
影山の言ったことは当たっている
だから、腹が立って、怒鳴ってしまった
俺のせいで、試合中断させたのに
そういえば、津田は、俺より低いのにWSだ………
こいつも影山と一緒で『天才』なのかな……
俺、囮なんて…………