第14章 もう一人の天才
影山
「次、コイツにトス上げるんで全力でブロックしてください」
第2セット開始前、影山が宣言した
葵
(何考えてるんだろう?
速攻は予測不能だから効く攻撃なのに)
影山
「今のお前はただの『ちょっとジャンプ力があって素早いだけの下手くそ』だ
大黒柱のエースになんか
なれねえ」
葵
「影山」
旭さん
「ちょ………ちょい……」
田中さん
「おい」
影山
「でも、俺が居ればお前は最強だ!」
日向&葵
「!?」
影山
「東峰さんのスパイクはスゲー威力があって3枚ブロックだって打ち抜ける!
じゃあお前はどうだ
俺のトスがお前に上がった時、お前はブロックに捕まったことが
あるか」
ーーーーーピーッーーーーー
開始合図が鳴る
相手からサーブが打たれ、レシーブを返す
大地さん
「津田!」
葵
「………」
「「ナイスレシーブ!」」
日向が、踏み込むも、ブロックのデカさにたじろぐ
影山
「躱せ!!」
葵
(為替?)
影山
「それ以外にできることあんのかボゲェ!!」
真っ直ぐ走っていったかと思うとすぐさま方向転換した日向
あっという間に逆の位置に居る日向に、ブロックはついていけない
影山のトスだけ
日向に追いつく
影山
「お前はエースじゃないけど!!
そのスピードとバネと俺のトスがあれば
どんなブロックとだって勝負できる!!!
エースが打ちぬいた1点もお前が躱して決めた1点も
同じ1点だ」