第12章 帰ってきた英雄
―翌日の放課後―
誰よりも早く体育館に着く
終わってすぐいつもダッシュしてくる
いつも、早く来てサーブを打ち込む
コートの端にペットボトルを置いて、それを倒すんだ
もちろん、反対のコートから
スッと目を閉じる
静かに目を開けボールを上に高々と上げ、
ーーーーーキュッキュッ
ドッーーーーー
打つ
打ったボールは真っ直ぐペットボトルの方へ
………には行かず、少し逸れた
ーーーーーガララッーーーーー
体育館のドアを開けて入ってきた影山
葵
「な!?影山っ
あぶな………
影山
「??
(ドガッ)」
葵
(うっわ〜(汗)
やっちまったよー(汗))
打ったボールは逸れて床にあたり、跳ね返って影山の顔面に直撃
つか、タイミング良すぎるし、ある意味コントロール良かったかもww
なんて、考えてる場合じゃなかった!!!!
影山
「…………」
葵
(沈黙……!!日向の時と一緒だ)
「ご、ごめん!影山
痛かったか?痛かったよな??
えーと、わざとじゃないんだ
まさか、そんなジャストミートに来るとはっ(汗)」
影山
「………いや、まあさっきから覗いてたからお前は悪くない」
葵
(それはそれで、怖いなww
そういう影山の顔も、眉間にシワが)
「そ、そうか」
影山
「お前、今のサーブ………
誰に教わった
今のは、あの人と同じフォームで…高く上げるのも………」
ゴニョゴニョと最後の方は聞こえなかったが
葵
「あの人って?」
影山
「期待の星、津田さん
そういえば、お前、津田だよな
偶然名前一緒だよな」
葵
(ギクッ!!)
(癖が仇になっちゃったか………)
「何言ってんの
確かに名前は一緒だけど、その人女の子だろ
僕は男だ」
影山
「………そうか」
(でも、似てるんだよな………)