第6章 声
『大きな力は恐れられたんだよ……存在を知った人間から。』
『ふざけてやがる…』
男の眉間にシワが寄った。
『ああ、まったくだ。』
『力持ってるからってなんだってんだ!!』
男は何かを知っているように叫ぶ。
『落ち着きな。…虎の方には陰の気が、女の子には陽の気が入ってる。それは確かにあの世界を滅ぼしえる。』
女は男をそうたしなめる。
『でもあいつらはしらねぇだろ!知ってても世界壊したりしねぇだろーが!!』
さらに吠える男。
『………それでもあの世界の連中はあの子たちを閉じ込めることを選んだ。』
女は悲しそうにつぶやく。
『っなぁ…、なんとかできるだろお前なら!』
『ああ、わたしも納得いかないからね』
女はニコリと笑った。