第10章 あたしの想いはあなたじゃなくて
翔「大野さんに、
最後の授業しっかり受けるようさ、
ゆいはちゃんから言ってくんねーかな?(笑)」
「最後の授業?」
翔「そう。今日だったら6時間目?」
「え、大野しっかり受けてないのね(笑)」
大野のことだから、
てっきり寝てるとかかと思って、
なんだか笑えてきた。
翔「もしかしてゆいはちゃん、聞いてない?」
「え?」
翔「あの人、ゆいはちゃん
先帰っちゃわないようにって
その日の1番最後の授業、
ずっと受けてないのよ(笑)」
「…………へ?」
どーゆこと?
受けてないって、
授業に出てないってこと?
え、
「それ、単位とか、やばくないですか?」
翔「やばいよ(笑)
いや、本気でやばいよ」
なんで、
なんでそこまでするの?
卒業出来なくなったらどーすんの?
なんであたしのためにそんな、
「………………」
翔「俺、何回も、受けた方がいいって
いってんだけどさ、聞いてくんねぇの。」
「………………」
翔「ゆいはちゃんが言ってくれたら
すぐ解決できると思って。ね?
頼んだよ!」
「………………」
しょーちゃんはそういって
どっかにいってしまった。
「…………はぁ、」
結愛「愛されてるね?」
なんでそんなことすんの?
とか、
自分の事もっと考えてよ
とか、
思ったんだけど
「うん(笑)」
大野の気持ちは、
すごく
すごく
嬉しかった。
だから、
「あいつ、しっかりお仕置きしないと(笑)」
結愛「んふ(笑)」
「あたし、大野とちゃんと向き合うわ。」
結愛「うん(笑)」
大野に全部、話そうと思った。