第7章 こんな気持ち分かって欲しいのだから
「うん」
智「ほんとかぁ~?(笑)」
あれ、
ーー"ほれ、これやる"
なんだっけ、
ーー"泣いてばっかだと、だめでしょ(笑)"
ーー"笑って?ほれ、にぃぃ(笑)"
ーー"ね?怖くない!"
なんだっけ、なんだっけ、
ーー"おにいちゃん、だれ?"
智「……ゆいは?」
ーー"……さとし"
「……さとし」
智「…………え、…………//」
忘れてた。
私、知らない訳じゃなかった。
ずっと、ずっと、
智「……ゆ、いは、、、何で、おいらの、、……//」
心の隅にあったんだ。
あの時の、ふにゃって笑った笑顔も
安心させてくれた声も
渡されたダンゴムシも
全部、全部。
あぁ、私、好きなんだ。
ずっと、ずっと、
あのおにいちゃんのことが、
……さとし、が
「……さとし、」
智「…………//」
あの日、
泣きじゃくる私の
ずっと側にいてくれた、
あたしがずっと
"すき"な人。
なんでかな、
大野をみてると
さとしを思い出す。
閉じ込めていた思いが、
一気に甦る。
ーー"んふ、おにいちゃんが幸せにしちゃる"
ーー"ぜってー、忘れんなよ(笑)"
「さとし……、、」
智「ゆいは、」
会いたいよ、さとし…………