第12章 あなたが居れば充分だから
それから、街をぷらぷらした。
「あれ、見てみ?」
「どれや」
「ほら、ゴリラくっついてる」
「……驚愕。(笑)」
なんだろう、ライヴハウスかな?
ゴリラがくっついてんの(笑)
本物じゃないけど。
むしろ本物だったら笑ってられないけど。
ここら辺、
歩いたことなかった訳じゃないんだけど
そんなの、気付かなかった。
「あれ、よく読んでみ?」
「どれや」
「あれ、」
「あれ?……GO.RI.RA……ごりら、」
「パッと見、ローマ字だったから
おしゃれやな~って思ったんだけど、
ゴリラだって気付いたら、
テンションあがっちゃうよね、んふふ(笑)」
……熱弁。
てゆうか、
テンションあがるってなんだよ、
ゴリラファンかよ、
「どうしよ、大野がだんだん
ゴリラに見えてきた……」
「……やっぱり?マジか。
おいら、ゴリラっぽい?」
「……ゴリラっぽくは、」
「なんかさ、この前かーちゃんから
電話かかってきて、犬のぬいぐるみ欲しい?って
んで、あーほしいほしいっていったら、
ゴリラは?!って
若干キレてんの(笑)」
「なにその話(笑)」
「んでね、ゴリラあんの?って言ったら
他にもいっぱいあるよ!って
でも、ゴリラ欲しいでしょっ?!って(笑)」
「え、ゴリラ好きだったの?」
「いや、そんなこと言ったことねんだべ?
なんに、なんかかーちゃん中でおいら、
ゴリラキャラんなってて、」
「それ、凄まじいな。(笑)」
「まあ、結局買ってもらったんだけど、」
「買ったの!?(笑)(笑)(笑)(笑)」
おもろいな、大野家(笑)