第12章 あなたが居れば充分だから
どうしよう。
めっちゃ楽しい。
これがデートか。
めっちゃ楽しい。
おかしいな、前は
早く家に帰ることが
あたしの楽しみだったのに。
「ふふふ(笑)」
「なーに笑ってんだよ、」
「すっごい楽しいなあ、と。」
「おいらも、すっごい楽しい。んふふ(笑)」
「ふふふ(笑)」
カーイカカイっ
カーイカカイっ
ユカイツーカイかーいぶつくんは~♪
「あれ、電話だ。」
「……(ゆいは、着メロ怪物くんか。
かーいいな。ゆいは最高!!)」
「ちょっと、ごめんね?」
「うん。(フニャ)」
着信:母上
「どったん、母上」
(あーゆいちゃんっ!ごめんねぇ
今日パパとママ同窓会で
帰り遅くなるから和ちゃんの家でも
行ってちょーだい。)
「んー、りょ!
いってらっしゃーい」
(いってきマンモス。)
……母はたまに、ギャグをかます。
「切りまーす。」
「大丈夫だった?」
「ん?うん(笑)全然(笑)」
「そっか(フニャ)」
……あ。
「あのさ、ちょっとトイレ!」
「え、……あ、うん(笑)」
ゴリラのネックレス、
発見。