第1章 降って湧いた妖精?
「今のはナニ…?」
わけがわからない。
私は目を見開いて、目の前の弟を見つめる。
「いや、僕に聞かないでよ…………ぅあ!!」
蓮はわたしの後ろを凝視したまま後ずさった。
「え、ナニナニ!?……まさかの幽霊立ってるとか言わないでよ?」
アハハと渇いた笑い声が出た。
「幽霊とは失礼だな、人間」
耳元からは低いボイスが聞こえてきた。え、まてまてこの家には他に人はいない…
おそるおそる振り返ればそこには…
「あ?なんだよ。俺を呼び出したのはお前だろう」
世にゆう、イケメンが、いた。
「ていうか、不法侵入ですけどおおぉ!?」
わたしはそう叫ぶと同時に、イケメンを突き飛ばして蓮の後ろに隠れた。
どこから降ってわいたんだ、この男は!!
「ってめ、何しやがる!!」
「あんたこそ、なんで後ろにいるの…よ…?」
わたしの語尾はしぼんでいった。
あまりにも男が、見とれてしまうほどの美貌を持っていたから。