第6章 和の国へ旅行
『おお、これがNINJA!とてもかっこいい。ああ!これはあの•••』
『あんまり騒ぐと迷惑になるぞ。』
アーダルベルト俺の注意が聞こえないくらいすっかり興奮していた。和の国の名物に飛びついては感想を述べ、次から次へと移っていった。
『あんまり騒ぐなって言ってるのに•••』
遂に我慢できなくなった俺はアーダルベルトの腕を引っ張って彼の動きを止めた。
『あまり離れると迷子になるぞ!』
本当は一人にしないで欲しかったのだが流石に言えなかった。でもなんとか伝わるようにジッとアーダルベルトの紅い眼を見つめた。アーダルベルトは恥ずかしいからか顔を赤らめた後 顔をそむけた。
『わかったよ、一緒に行動しような。』
そして一言ボソッと言ってくれた。
興奮を冷ましてしまって悪いと思ったが、すぐにアーダルベルトは笑いながら和の国の豆知識などを話してくれた。
ふと近くにいる女のグループが気になった。
女のグループは三人で身なりから高校生くらいだった。何やらヒソヒソ俺たちの方を見ながら何かを話していた。
『あの、どうしました?』
俺は思いきって三人組に話しかけて見た。三人組は驚きながら何か相談していた。そして三人とも同時に真剣な顔で俺たちに言った。
『あなたたち二人は付き合っているんですか?あまりにも振る舞いが•••』
えっ?と思った。いきなりストレートな質問が来たので頭が混乱した。とりあえず何か言わなくちゃ•••
『えっと...あの...』
『もちろん付き合っている。こんなこともする仲だ。』
背後から腹に響くような声がした後、顔の向きを強引に変えられ柔らかいものが口に当たった。
•••それはアーダルベルトの唇だった。
『キャー』
女たちは小さな叫び声を発したが何故か顔は喜んでいた。三人のうち一人は現像カメラで俺たちを撮って、その写真を【私の宝物】と書いてある小さな入れ物に入れていた。
『さ•••さようなら。』
三人組はそう言って走っていった。
なんなんだ?今の人たち•••