赤「僕の婚約者だ」貴「違う!」キセキ+桃「婚約者!?」
第10章 ケンカ
赤司side
コンコン
赤「僕だ少し話がしたい」
何を言われてもいい。どんなことを言われてもいい。
僕が悪いんだ。無理やりしてしまった僕が悪い。
でもこれだけは…これだけは伝えたいんだ。
貴女「何よ。馬鹿征十郎」
赤「謝りに来たんだ」
貴女「……」
赤「すまなかった」
ドア越しで見えないけれど頭を下げて謝る。
貴女「もう…いいよ」
赤「! 本当に許してくれるのか?」
貴女「だってもう…色んなことに振り回されてもう慣れたよ。ちょっとまだ怒ってるけれどいいよ」
怒ってるか…でも半分は許してくれた。優しいな。
赤「でも一つだけ言わせてくれ」
貴女「なあに」
赤「僕は唯を愛してる。これは紛れもない事実だ。」
貴女「…うん」
貴女side
赤「僕は唯を愛してる。これは紛れもない事実だ。」
そう貴方はいつも真っ直ぐに自分の気持ちをぶつける。現実から目を背けていたこんな私に。
私は耐えて耐えて耐え続ける日々を送っていた。
でもそれは私の強がりで自分をじわじわと苦しめるだけで、私の精神をただ削っていく。
私にはデメリットにでしかなかった。
でも仕方のないことだったんだ。
私がこうしていないとダメだった。
耐えていないと私は死んでいたのかもしれない。
あの子が居たからこうしていられるのかもしれない。
何年も昔のこと、時間が経つごとに少しづつ薄れていく記憶。
あの子は今どこに居て何をしているのだろう。
また会えることが出来るのならこう伝えたい。
“ありがとう”
この一言を…