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strategie

第4章 strategie④




「いや…黙ってたらわからないだろ…」


暫く沈黙でいると、タクヤは段々イライラしているのがわかった。

「なんだよ…。俺なんかしたか?」

いつもそうだ。
この人はすぐ結果を知りたがる。
なんでも答えを出したがる。

「わたしのこと…好き?」

わたしは高校生のようなくだらない質問を彼に投げかけた。
泣いてる理由を知りたかった彼はさらにイライラしていた。

「なんで今そんなこと聞くんだよ…。」

「いいから答えてよ!」

「………。」

タクヤは目を泳がせながら黙り込んだ。



やっぱりそうだ。

わたしがこの結婚生活で薄々気がついていたことが明確になりつつあった。


「なんでわたしと結婚したの?」

低い声でそう責めるように問う。

「………。」

タクヤは暫く黙っていたが、意を決したようにこちらを向いた。

「そういうお前だって…お前の方こそなんで俺と結婚したんだよ!」

タクヤも今まで見てみぬふりをしていた、わたしの本心を問いただした。

「なんでって…。そんなこと聞いてなにになるの?」

「そんなの俺だって一緒だよ。」

「分かった。じゃあ言うけど、わたしは役者を続けていきたかったからだよ!!!タクヤだって分かっててわたしと結婚したんでしょ?!」

タクヤは鼻でふんと笑った。

「金目当てってことか?」

「そうだよ!悪い?!」

わたしは開き直ったようにそう叫んだ。

わたしは今世界で一番心根が腐っていて醜い女に違いない。
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