• テキストサイズ

strategie

第3章 strategie③


「なんや他人行儀やなー。この間の忘れたんか?」

そう言うと、彼女の顔が一気に赤くなった。

「あの、いえ。」

ヒロカは必死に顔を隠すように下を向く。

その表情を見て俺はスイッチが入った。




「なんや、聞こえとるん?」

絶対に目を合わせようとせずにごもごもとどもっている。

「いや、えっ…はい。」

「んー?なんてー?分からんわー。」

俺ははっきりしない彼女に迫るように近づいた。そうすると、一歩一歩下がっていってしまうので、楽屋の壁まで追い込んだ。そして両手を壁につけて逃げないように囲い込む。

ヒロカの顔はどんどん赤くなっていくのが分かり、同時に俺のテンションが上がっていった。


くそ。

なんでこんな可愛いんだ。


「あの…やめて下さい…。」

ヒロカはそう可愛い声で小さく言う。

「なんや、その言い方。逆の意味に聞こえるんやけど。」

「え?!!違いますよっ!!!」

そう言うと彼女は顔をあげて、初めて目があった。

「ヒロカ…。」

ヒロカは俺の視線から逃げられず、じっとこちらを見ていた。

逃がさへんよ。

絶対に。

「ヒロカ…、可愛いいな。」

そう低い声で耳元で囁くと、ビクリと身体を震わせた。

「そんなこと…ない…です。」




/ 119ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp