第2章 strategi②
わたしと光一はテーブル越しに濃いブラックコーヒーとタバコを二人で楽しんだ。
「自分いくつなん?」
「あ、24です。」
「え?!!!そんな若いんか?!!!やってもうたな笑」
「いくつに見えたんですか?」
「まあ、二十代後半くらいかなあーって。」
「ショックなんですけど。」
そういうと光一が目を細めて笑い、わたしもそれを見て笑顔になる。
おかしい。
昨日は、あんなに会話ができなかったのに、一晩明けてみると、自然と言葉が流れてくる。
「ファンってほんまか?」
「ほんとですよ!光一さんのドラマ見て好きになったんです!」
「そうなんや。普段光一さんなんて呼んでへんやろ。」
「…はい笑」
光一はニヤリと笑う。
「ちょっと呼んでみ!」
「光一!」
「呼び捨てやめろや!」
二人で声をあげて笑った。
「自分名前なんやっけ?」
「知らないでずっといたんですか?」
「嘘。#ヒロカ#やな。」
真顔で言うものだから少しドキっとしてしまった。
「……はい。」
「良い名前やな。」
そのキラキラと光る瞳で見つめられるともうわたしは駄目になる。
ずっとこの時間が続けば良いと思った。