第8章 strategie⑧
夜も更けて、俺とヒロカは小さなシングルベットで体を寄せながら二人で寝ていた。
久しぶりの二人の夜だった。
そして次にいつ会えるか分からない夜…。
ヒロカのくちびるに手でそっと触れると、からだがピクリと動いた。
その反応だけで、ゾクっと鳥肌がたつ。
人差し指で触れるか触れないかギリギリの愛撫をくちびるに這わせる。
ヒロカの息があがっていくのが分かった。
それから
服の上から小さな胸にそっと触れた。
「……ん…っ」
色っぽい声が小さく漏れる。
ブラの上から先端を撫でると、硬くなっているのがわかった。
ヒロカはもどかしそうに身体をよじって、俺の愛撫に反応する。
「可愛いな。」
必死に俺の愛を受け止めようとしている彼女が愛おしくて仕方なかった。
頭を優しく撫でてからぎゅっと抱きしめる。
シャンプーの香りが鼻をくすぐり、お酒を飲んだ時みたいに頭がグワングワンした。
ヒロカも応えるように俺の背中に腕をまわす。
お互いの鼓動だけが部屋に広がって、世界に二人しかいない気がした。
ずっと二人だけなら良いのに。
渇ききった世の中でここだけが俺にとって現実味のあるリアルだった。
生きている実感がした。