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幸せ記念日

第1章 幸せ記念日


というのが数日前の事で。
「あー、貴哉?うん、貴哉ー。」
あたし達は初々しいカップルを始めました。


「詩織、は、どこに行きたい?」
あたしの家で、晩ご飯はどこに食べに行こうという話し合い。付き合う前のデートでも、何度かしたことのある会話のはずなのに。
「・・・お互いギクシャク過ぎません?」
「あ、また敬語。」
「うぅー!」
クッションに顔を埋めて唸り声を上げるあたしを、おかしそうに笑い飛ばす清水さん。
「可愛いなぁ。」
「あーもう!それはそれで照れるからやめて!」
クッションを投げつけても清水さんは軽々とキャッチしてしまい、悶えるあたしの頭を優しく撫でる。
・・・優しい手なんだよなぁ。溶けちゃうんだよなぁ。くそぉ、何も言えないぞ。
「清水さん、ずるい。」
「名前も呼べてないよー?」
「慣れないのー!」
清水さ・・・貴哉はまた笑い飛ばしてあたしの頭を撫で回した。



「付き合うならタメ口がいいなー。」
そんな事を清水さんが言ったのが事の始まり。
そりゃああたしも前に付き合ってた1つ年上の彼氏にはタメ口だったし、カップルってそんなもんだよなーと思ってるけど。
清水さんは憧れていた大先輩であり。年齢的には4つも上だし。
敬語とか振る舞いにはすごく気をつけて接していただけに、あたしの意識改革はなかなか進まないんだよー!


「江口は本当に可愛いなぁ。」
「あ、江口って呼んだ。」
「あ。」
意識改革がなかなか進まないのは、貴哉も同じらしい。
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