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幸せ記念日

第1章 幸せ記念日


「江口が好きだ。」
清水さんに告白されて、びっくりして、本当の本当にびっくりして。
あたしは思わず「本当に?」って、5回ぐらい確認してしまった。


「ほ、本当に本当に本当ですか?」
「まだ信じられない?」
緊張していた清水さんもあたしの様子に呆れてしまったようで、八の字眉で笑って両手を広げた。
「大好きだよ。」
声が耳元で聞こえて、あたしの体はすっぽりと抱きしめられてしまって、清水さんの緊張で火照った体が全身で感じられた。

清水さんの鎖骨があたしの鼻の辺りだ。背が高い。肩幅も広い。大きな背中だとは思っていたけど、こんなにたくましかったなんて。
あっ、いい匂いがする・・・。洗剤?シャンプー?それとも清水さんそのものの匂い?
腕が、清水さんの腕が。あたしをしっかり支えて離さない。
むせ返りそうな「清水さん」に、あたしはもう力が抜けてしまって。

「あたしも。」
自然と腕を清水さんの背中に回していた。大きい。熱い。
「好きです。」
清水さんを見れない。顔を胸に押し付けた。胸板も厚い。大きいな。
「ありがとう!」
清水さんの嬉しそうな声が聞こえた。耳が溶ける。体がふわっとした。
「えーっと・・・よろしくお願いします?」
あたしの言葉に今度は笑い声。耳元で大きな声を出されるからちょっとびっくりした。
「こちらこそよろしくお願いします。」
抱きしめられた腕が緩んで、おずおずと顔を上げるとそこには清水さんの笑顔。
本当の本当に嬉しそうで、それがあたしも嬉しくて、多分お互い素直に笑っていたと思う。
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