第2章 クロロの威圧
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中に入ると奥のソファに座り、本を片手にこちらをじっと見つめるクロロ。
彼女は足を進めるとクロロに向かいの椅子に座れと促されたので遠慮がちに座った。
読みかけの本を閉じ、フゥと溜め息をついた。彼女にはこれから何を話されるのか想像もつかなかった。
「アジトの居心地はどうだ?」
拍子抜けな質問に彼女の緊張は少し解けた。
「おかげさまで、この通りよ」
顔も体もボロボロでシャルナークのTシャツ一枚を着ていた彼女を見て、クロロは小さく吹き出した。
「ククッそれはフェイタンの仕業だな。でも君が最近アジトで好き勝手に動いて団員を悩ませているという話も耳に入ってきたんだが」
特にフェイタンに、と付け加えてクロロは口角を上げながらルイを凝視する。
クロロの威圧的な視線に彼女の表情は固まったままだ。
「今の君を見ているとそんな風には見えないんだがな...」
と小さく微笑んだ。
「あまり、団員を苛めないでくれよ」