第1章 サディズムな彼女
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男と女の唇が近づき、触れ合いそうになった時。
ドンドンッ
「シャル、ルイ知らない?」
扉の向こうから聞こえた声、この声は確か旅団員マチ。
シャルナークは彼女から目を逸らすとその声に応えた。
「ここにいるよ」
するとマチが扉を開けて入ってくる頃には二人の間に距離ができていた。
ソファに隣同士座る二人、心なしかシャルナークの頬が赤いように感じる。そんな二人に違和感を覚えながらもマチは口を開いた。
「ルイ、クロロが呼んでたよ」
彼女の返事が無い、と横を見る。
そこには顔面蒼白....といった顔をした彼女がいた。
初めて見る表情に思わず驚嘆の声を漏らす。
「え....」
すると彼女はマチに礼を言い部屋を後にした。