第4章 Mighty Long Fall
[法界悋気]1
*奈々美side*
今物凄くドキドキしているのが分かる
私、日番谷隊長に抱き締められてるんだ
でもドキドキを感じているのと他に私の耳に聞こえるドキドキもある
「…日番谷隊長…?」
私の耳に届くのは日番谷隊長の心臓の音だった
抱き締められたまま見上げるが、彼は私の声に反応するわけでもなくただ正面を見ていた
久しぶりにこんな近くで日番谷隊長の匂いを嗅いだかも…
この優しい匂い 落ち着くんだよね
こんな状況でこんな事を考えてる私はおかしいのだろうか
ん?でも隊長が言っていた言葉におかしいと思った事が一つだけあった
「私は死神であって別に誰の物でもありませんからね?」
アレ?私今変な事言ったかな?
みんなが唖然としてる
だって私は私だし
ていうかそもそも物じゃないわけだし
って思っていたら乱菊さんが場の空気を変えてくれた
「奈々美の言う通りですよ隊長!この子はまだあなたのモノじゃありませんからね。ホラ修兵も仕事があるならさっさと済ませちゃいなさいよ」
「お前が言うな」
日番谷隊長の突っ込みを受けながらも乱菊さんはフォローしてくれた