第4章 Mighty Long Fall
[法界悋気]2
「じゃあ俺そろそろ行きますね。それじゃあ日番谷隊長、失礼しました」
「…檜左木、最後に一言だけ言っておくぞ」
「…何でしょう?」
「俺がさっき言ったことは本気だ。もし楠木に手を出してみろ、……承知しねぇ」
えらくドスの効いた声
修兵さんは苦笑いをすると、執務室から姿を消した
私がふと時計を見ると、既に五時を過ぎている
「あっいけない!私桃ちゃんの所に行くので上がらせて貰います。お疲れ様でした!」
二人の返事を背中で受け止め、十番隊を出た私はすぐさま四番隊へ向かった
「…あんな霊圧上げて脅さなくても良かったんじゃないですか?」
「アイツならやりかねないからだ。まぁでも他の奴らも心配だが。それに用心に越した事はねぇだろう」
「…ねぇ隊長?」
「なんだ」
「それは奈々美の事を女として意識しての言葉ですか?」
「…そうかもな」
「……上手くいきますよ。きっと」
法界悋気(ホウカイリンキ):自分の無関係の人にやきもちを妬くこと