第4章 Mighty Long Fall
[感慨無量]1
「それじゃあ俺たちは帰るからな。ちゃんと飯食って寝とけよ」
「じゃあね桃ちゃん。また明日」
太陽が完全に落ち、外の景色が暗くなりつつある頃、病室を出て行く二人の姿があった
「うんバイバイ…」
その言葉を最後に病室の扉は閉まられた
「どうだ?まだ雛森に気ぃ遣ってるか?」
四番隊を出て寮に帰る道を歩いてる途中、冬獅郎がこう口を開いた
(桃ちゃんに気を遣ってるんじゃなくて、二人に遣ってるんだけどなぁ…)
そう思うも決して口には出さない
否、出せない
「はい、さっきよりは大分楽になりました。隊長のお陰です。ありがとうございました」
「べっ、別に大した事じゃねぇしいいんだけどよっ」
冬獅郎は少し赤面した自分の顔が奈々美にバレぬよう、上を向いた
その際に尸魂界の空に輝く一番星を見付ける
「…あ、一番星だ…」
「え?どれどれ。あー!本当だやっぱり綺麗ですね」
急いで奈々美が天を仰ぐと冬獅郎が見た物と同じ物が飛び込んで来る
台詞の最後に奈々美は冬獅郎の事を見た
彼もまた奈々美の事を見詰めた
奈々美が夜空を見上げた時に大幅に冬獅郎に近付いた為、二人の顔を距離が僅かセンチまで縮まっていた