第4章 Mighty Long Fall
[黙契秘脂]1
「んー美味しい!乱菊さん私、やっぱコレ選んで良かったです!」
目の前に運ばれてきたものを一口含むと、奈々美は歓喜の声を漏らした
「本当?それは良かった。
ねぇ一つ聞いていい?アンタどうしてそんなに目が腫れてんの?」
その言葉と同時に奈々美のスプーンを持つ手が止まった
乱菊は満遍の笑みである
「…気付いちゃいましたか?」
「うん、大分前から。って言うか今日初めて奈々美を見たときから」
「……」
(今一瞬忘れてた…。バレないと思ったんだけどなぁ)
「昨日泣いたの?」
乱菊が優しくそう問い掛けると、奈々美は持っていたスプーンを机に置き、姿勢を整えた
「…実は昨日泣いたんです。夜に。まぁその理由は先程話した日番谷隊長の事なんですけど」
「ふぅ~ん。隊長も自分が好きな女を泣かすって、罪な男よねぇ」
試しに乱菊がそう呟いてみるが、やはり張本人は聞き入れていない様子
「あの乱菊さん。私が昨日泣いて目が腫れたと言う事は、特に日番谷隊長にはご内密にして欲しいんですけど…」
「ああ隊長ならもうとっくに知ってると思うわよ」