第4章 Mighty Long Fall
[審念熟慮]1
*乱菊side*
ずうっとあの二人の距離が歯痒くて仕方が無かった
だって入隊日前から隊長は無意識に奈々美の事ばっかり喋ってて
その時点で隊長は奈々美の事が大好きなんだなって思った
前の私にとって『幼馴染み』という言葉はアイツを思わせる元凶でしかなかったけど、隊長の話は自然と私に笑顔をくれた
「でも駄目なんです。私、隊長の事考えると、胸がぎゅうってなって、苦しくなる…。
私どっかしちゃったんでしょうか?」
何か凄く悩まし気だなと思ったらこの相談
私にしてはそれが物凄く嬉しくてたまんない
そして、この時の奈々美がより一層可愛いく見えて、輝いて見えた
「それはね奈々美、アンタは隊長の事が好きなのよ」
私の言葉を聞いて呆然状態の奈々美
早く自分の素直な気持ち気付いて欲しい
『恋愛』という素晴らしい経験を早く奈々美にして貰いたい
早く奈々美に幸せになって貰いたい、私の分まで
そうは言ってみるけど
「…私は普通に日番谷隊長が好きですよ?」
ってはぐらかされんのは目に見えてる
いや、これがこの子の素か…
「ちっがーうっ!! 私が言ってんのはね、『愛』の方よ!今アンタが言ってんのは『尊敬』!奈々美は隊長の事を『男』として見てんのよ!」
言ってやったわよ、私!
さぁ、自分の気持ちに気付きなさい奈々美!
「って言うか、私元々日番谷隊長の事女の人だって事は一度もありませんよ?」
「………」
…駄目だコリャ
隊長も鈍感だけど、この子はもっと鈍感ね