第4章 Mighty Long Fall
[一喜一憂]2
「…あ、おはようございます日番谷隊長」
「おう」
何で今日に限っているのよー!!
でも隊長も何でかソワソワしている様にも見える
こっそり彼の机の上を見ても書類等は無く、自分で淹れたと思われる緑茶の入った湯呑みだけがポツンと置いてあった
「どうしたんですか隊長?こんなに早く来て」
「ああ。お前に謝っとこうと思ってな」
無言の空間が嫌で日番谷隊長に質問したら、この答えが返ってきたので来たのでビックリした
私、隊長に謝られる事されたっけ?
「正直何に対して謝ったらいいか分からねぇんだけど、昨日物凄い怒ってたみたいだから。地味に気にしてんだ。俺」
そんな事もあったな
私も正直、桃ちゃんの事で頭いっぱいになってたし、とにかく昨日はその事を考えてる余裕なんて無かった
…それに私隊長の事を馬鹿チビとか言っちゃったんだよな…
「その時の事は忘れてください。そんなに気にしてませんから。
あと私も日番谷隊長の事馬鹿とかチビとか言ってすいませんでした」
「…そういやあ言われたな。俺、楠木に謝る事しか頭になくて忘れてたよ。お前も気にしてないって事は、どうせ忘れてたんだろ?」
図星を突かれてしまった
でも隊長も私の暴言を忘れていてくれて良かった
少しの間見詰め合って、二人共笑い出した
「すごーいいい感じじゃなぁいあの二人♡これを邪魔したら私は鬼ね」
執務室の外、珍しく早くに出勤した乱菊の姿があった
「隊長の事が心配で早く来てみたけど、これなら大丈夫そうね。それじゃ出直すとしますか」
扉から離れると、伸びをしながら彼女は来た道を戻って行くのであった
「ん~っ!今日は晴れてて気持ちいいわね」
一喜一憂(イッキイチユウ):喜んだり心配すること