第4章 Mighty Long Fall
[一喜一憂]1
*奈々美side*
結局、桃ちゃんの言葉を聞いてすぐに帰ってきてしまった
「はぁー」
何度目になるのか分からない溜め息
どうして私はあの言葉にこんなにショックを受けているのだろう
「…桃ちゃんがまさか日番谷隊長を昔から好きだったなんて全然知らなかった…」
何十年も一緒にいたのにそんな事も気付かなかったのか私は
じゃあ桃ちゃんにとっての私は、昔から邪魔者に過ぎなかったのかも知れない
そう思った時に私の目からは涙が零れた
「うっ…ふぇ…」
喉の奥がギュウってなって苦しい
物凄く胸が張り裂けそうで怖い
この表情の名称を私はまだ知らない
今は取り敢えず一人で泣きたい…
翌日、私の気分とは裏腹に快晴な青空が広がっていた
昨日はあれから何も考えずに泣き続けた
その所為で目が多少腫れている
元々目だってそんなに大きくない筈だし、上手く行けば気付かれない
パンッと自分の頬に喝を入れ、自室を出た
取り敢えず何も考えない様にしよう
考え出したらキリがないし、それに今日は隊長と桃ちゃんの所へ行くんだ
沈んでちゃいけない!
そう思っていても自然に考えてしまう私の脳内
執務室の前で隊長がいない事を願うと、思いっ切り扉を開けた