第3章 Lonely warrior
[鼓舞激励]1
~~九番隊舎~~
ピーガシャコンッ ガシャコンッ
辺りを取り巻く機械音
その中に奈々美はいた
「どうだ?茶ァ飲んだら少しは落ち着いたか?」
「あ…檜佐木副隊長」
奈々美たちが九番隊舎に着き、ある部屋で修兵から淹れたてのお茶を渡されてから数分が経っていた
その場にいる隊員はみなが慌しく、部屋中を飛び回っている
「あのすいません。ここって何の部屋なんですか?」
「んあ?ここか?ここは…アレだよ、尸魂界中に配る瀞霊廷通信を製作してる所だ。お前もそれぐらい見た事あんだろ」
「そっかぁ。こうゆう所で作ってるんですか。何かみなさんお忙しそうですね」
「ああ。瀞霊廷通信は構想から出版まで全部九番隊に任せられてっからな。通常の任務どころじゃねぇんだよ」
「それじゃあ檜佐木副隊長は東仙隊長の分までやらなくてはならないので人一倍大変ですね」
その言葉を言ってから奈々美はハッとして口を閉じた
今、自分の隊長がいない修兵にとって奈々美の言った事は、彼を傷付けかねないからだ
「…全くだ、お前の言うとおりだよ。東仙隊長は昔から人にモノを頼むような人じゃなかったからな。そういう意味でもやっぱり東仙隊長がいねぇとキツいよ。
って何でオメェまた泣いてんだよ」
休み無しで動き回る部下たちを見てから奈々美へと視線を向けると、彼女はまた大粒の涙を零して泣いていた
「うえ…。だって、私今ヒドイ事言っちゃった…。東仙隊長がいなくなって、檜佐木副隊長がどういう思いしてるのか分かってるはずなのに…」
フワリと修兵の匂いが近くなったと思ったら、奈々美は抱き締められていた
「ちょっ…!」
奈々美が恥ずかしいと言わんばかりに周りを見るも、誰として二人の行為を見てる者はいなかった
「よーしよーし大丈夫かぁ?って楠木ってホント小せぇよな。抱き締めても俺の腕がめっちゃ余ってやがる」
それを聞くと、奈々美は修兵の腕に収まったまま彼を見上げた