第3章 Lonely warrior
[白日夢]2
そっ、それって…
キッキッキッ…
「それってキスされそうになったって事ぉぉぉ??!!」
因みにこの時のこの声こそが俺がこの空間にいた時の最大音声
…音声じゃねぇや音量だ
とにかく五月蝿かった
でもキス…だろ?楠木が誰かとキス…
考えただけで腹が煮え繰り返りそうだ
その後の松本の言葉が俺の怒りを更にヒートアップさせた
「そっかぁ。恋次もう奈々美を襲っちゃったのか。奥手そうに見えて案外やり手ね」
…恋次?恋次って…
阿散井の事かぁぁぁぁ!!!!
コノヤロウ俺の奈々美に手ェ出しやがって!
今度会った時シメてやるっ!
とにかくこの空間から出ねぇと楠木に何も聞けねぇ!
ガバァッ
何とか抜け出せたかと思ったらそこは馴染みのある執務室
…って事はあれは夢だったのか
本来人間は夢の中にいてもそこが現実の世界だと認識してしまう生き物
勿論、生きとし生きるものは全てそうだ
俺は眠っていたソファから身を乗り出し楠木を見据えた
彼女もまた俺を見詰めている
それとは対照的に笑顔でいっぱいの副隊長、松本
「あーらお早うございます隊長っ♡」
…コイツ一体何企んでやがる…
白日夢(ハクジツム):真昼に見る夢