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BLEACH第一章『Opening』

第3章 Lonely warrior


[白日夢]1


*冬獅郎side*




フワフワとした感覚がする
最近俺が味わってねぇ感覚だ
なんだかスゲー気持ちもいい…

周りの景色は何とも言えない感じで、色々な暖色が混ざり合っている
でも決してそれは不愉快ではない
遠くに一人の女死神の姿
座っていて体ごと横を向いている
その姿は俺が忘れる筈がない楠木だった

「楠木!」

俺がこう声を発しても彼女はこちらを向く素振りは見せない

「ったく隊長をシカトするなんざ、どうゆう神経してんだよアイツは」

そう言って溜め息を零しながら走ってみるも、全く持って楠木に近付いている気がしない
それに気付いた俺はその場に立ち止まり状況を整理してみる
ふと眼についたのは笑っている楠木の姿
その笑い方を見ると、誰かと話している事が分かる

だがその人物はまるでフィルターにかかっているみたいで、まだ俺の眼には映らない
今もまだ俺を引き付けるその笑顔と仕草
多分これからもずっとそれらは俺を魅了し続けるだろう
この何とも言えない感情をおれはまだ知らない
そんな事を考えながら自分の足をまた一歩前進させる

状況整理はひとまず中断だ
取り敢えず今は楠木に辿り着く方に集中しよう

暫く歩いていると、フィルターがかかっていると思っていた所から自分のよく知る人物が浮かび上がってきた

「…楠木と話していたのは松本だったのか…」

それと同時に、決して先程から距離は変わっていないものの二人の会話が所々聞こえてきた

「相談?━━に?」

「はい、日番谷隊長の事で」

なんだ?誰に俺の事を相談したんだ?
この時の楠木の表情は曇って見えた
そんなに俺心配される事したかな?
それからの会話達は聞き取れなくて、俺は耳を澄ました
その際聞えてきたのは…

「奈々美、アンタ━━に襲われなかった?」

襲われる?一体誰にだ?!
あー畜生大事な所が聞こえねぇじゃねぇかよ!!!
松本の言葉を聞いた楠木は何だか焦った様に弁解している様にも見える
だが俺にはその言葉は聞こえない
その後の松本は何だか呆れているが俺が驚いたのはその後の楠木の言葉だった

「とっ特に何されたってワケじゃないですけど、迫られたって言うか、顔が物凄く近くなったと言いますか…」

少しの間フリーズする俺の脳内
それは一瞬と言うよりは長く、ひと時と言うには余りに短い時間



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