第3章 Lonely warrior
[下意上達]1
「んで?どこで転んだらこんな傷できんのよ」
奈々美の腕を消毒し、包帯を巻いている乱菊が尋ねた
「ああ。これは六番隊舎を過ぎた所で転んだんです」
「あそこねぇ。でもあんな所転ぶような障害物なんてあったかしら?」
彼女の発言に#NAME#は焦りを感じていた
「いっ、いや障害物も無い所でつまづいてしまったんで…。私、よくあるんですそうゆう事」
「あっそうなの?まぁ想定内だけど。ったくもうこんな怪我しちゃって。気を付けなさいよ?」
「はいぃ…」
(納得されてしまった…。あながち間違いじゃないんだけどさ)
「はい、手当て終わり!さぁ奈々美?隊長が起きるまでにこの書類の山、片付けるわよ」
奈々美にとってこの時の乱菊の姿が初めて副隊長らしいと思える姿だった
それから何十分か経過し、積もっていた書類の山は小さくなりつつあった
十番隊の隊長である冬獅郎がソファで寝ているにも関わらず、二人はずっと筆を滑らせていた
そこに奈々美がこう言葉を漏らした
「乱菊さん、私六番隊に行った時に相談にのって貰ってたんです。恋次に」
「相談?恋次に?」
「はい、日番谷隊長の事で」
それを聞くと乱菊は持っていた筆を置き、両手で頬杖をつきながら奈々美を見た
「あら、そうだったの。それで?何か良いアドバイスでも貰えたのかしら?」
「はい。とても良い事を言って貰いました。これからは私も幼馴染みとしてでも、今まで以上に隊長を支えていきたいです」
「ふぅ~ん恋次が。どうゆう事を言ったのかねぇ?」
この時の乱菊は何故か少し笑っていた
(アイツが実際に何言ったのかは知らないけど、奈々美のこんな安心したような顔見て全く手を出さなかったとは考えにくいわね)