第3章 Lonely warrior
[内剛外柔]1
六番隊の門を抜け、奈々美は十番隊へと続く路地を歩いていた
ズカッ
突如、歩いていた奈々美の足を誰かが引っ掛けた
「きゃあっ?!」
余りに突然な事で防御体制をとれなかった奈々美は、そのまま地面に倒れてしまった
腕からは血が出ている
「アハハッ!きゃあだって。かーわいーっ!どうやんのよ、その声の出し方」
「阿散井副隊長に色目使ってんじゃないわよ」
空から降ってくる二人の女の声
奈々美が睨んでそちらを見ると書物庫にいた二人だった
(…どう見ても十席か十一席だな。この場でどうこうするのはやっぱり止めておいた方がいいわね)
「…ちょっと何か言いなさいよ」
いつまでも言葉を発しない彼女を不審に思った二人は、こう言葉を発した
「ご用件は何ですか?
…無いのですね?それでは失礼します」
少し自身の霊圧を強め相手が何も言えなくなったのを確認すると、奈々美はその場を去った