第3章 Lonely warrior
[喪家の狗]2
~~六番隊舎~~
「それではお願いします」
「確かに受け取った」
昼休み後、奈々美は六番隊へ書類を持って来た
奈々美から書類の束を受け取ったのは六番隊隊長、朽木白哉
奈々美にとって初めての他隊の隊長との接触となった
「…兄は奈々美といったな」
「あっ、はい」
「恋次が兄の事を身に案じていたぞ。奴は今書物庫にいるだろう。もし時間があるのなら少し話して行くといい」
「恋次が私の事を…?ありがとうございます朽木隊長。それでは少し書物庫の方に足を伸ばしてみます」
「失礼しました」
一礼し、隊首室を出ると奈々美は足早に六番隊の書物庫を目指した
~~六番隊舎書物庫~~
書物庫に着いた奈々美は、周りを見渡し書物を読みあさっている恋次の姿を発見した
「恋次!」
「ん?あぁ奈々美じゃねぇか。あの時以来だな。どうした?」
あの時とは呑み会の時の事だ
自分の事を呼び捨てで呼んでくれる奈々美を見て彼は恥ずかしくなった
「さっき朽木隊長に書類を届けに来たの。そしたら恋次が私の事心配してるって言ってたから…」
「うえっ?!心配かぁ…。そう言われりゃあしてたかもな」
(よく俺が心配してたって分かったな…。でも隊長ナイス☆)
頭を掻きながら彼はこう思っていた
「ねぇ今時間ある?心配してくれるついでに相談にのってほしい事があるんだけど…」
「もももももちろんっ!! …あっでもここじゃ人がいるからな、執務室に行こう。そこなら多分誰もいねぇから」
奈々美が頷くと恋次はニカッと笑い、探していたであろう書物を片手に持つと二人で書物庫を出て行った
「…マジで何なのアレ?」
「副隊長を呼び捨てとか可笑しいでしょ。新入りのクセに」
二人の女の声は奈々美と恋次には聞こえない
喪家之狗(ソウカノイヌ):窶れてしまって元気ない人