第3章 Lonely warrior
[草木皆兵]1
「おい雛森、この白桃どうした?」
日がくれた頃、四番隊隊舎に冬獅郎の姿があった
「あぁそれは昼奈々美ちゃんが来てくれた時に剥いてくれたの。このままだと傷んじゃうからシロちゃん食べなよ」
「お前は食うか?」
「…ううん。お腹いっぱいなの」
そう言うと桃は病室の窓から尸魂界の景色を眺めた
「しっかしまぁよくこんな複雑な形した桃を均等に切れるよなぁ。アイツ昔っから器用だったからな。こうゆうのに関しては」
冬獅郎は均等に切られた白桃に関心していたが、桃は変わらずずっと外を見ている
「楠木アイツさぁ、この前水仙持って来て執務室に飾ったんだよ。やっぱ一輪でも二輪でも花があると違うよな。その後に俺…」
「シロちゃん」
冬獅郎の言葉を遮ると、彼女は外へ向いていた視線を冬獅郎へ戻した
「もうやめない?…奈々美ちゃんの話。シロちゃん私が目覚めてからその話しかしてない。私、もっと違う事聞きたい」
「おっそうか…。そういやあ俺ずっと楠木の話しかしてなかったな、悪かった。
…で?何話して欲しい?」
よっぽど奈々美の話題しか頭に無かったのだろう
彼女の話を拒否され、うろたえる冬獅郎