第2章 Opening
[一期一会]1
誰のものなのか分からない霊圧は十番隊の隊舎でピークを迎えていた
「おい楠木大丈夫か?」
「私は全然大丈夫ですけど、隊舎にいる隊員たちの方が心配です…。あの隊長、この霊圧の持ち主のお方とお知り合いなんですか?」
「知ってるっちゃあ知ってるが、知らねぇっちゃあ知らねぇな」
「どうゆう事ですか?それ」
二人で廊下を突き進んで行くと、霊圧の発信源と思われる執務室に着いた
「うわー、やっぱり凄い霊圧。乱菊さん大丈夫かな?」
「アイツはあれでも副隊長だ。ケロッとした顔で中にいるだろうよ」
奈々美は冬獅郎の後ろに下がると彼は執務室の扉を開けた
「テメェ黒崎一護ォ!ここで何してやがる!さっさと現世へ帰りやがれ!」
「うおっ?!冬獅郎じゃねぇかー!久しぶりだなー!!」
「”日番谷隊長”だっ!馴れ馴れしく俺の名を呼ぶんじゃねぇ!!」
扉の向こうで繰り広げられている会話
冬獅郎の背中で中の様子が分からない奈々美は、背伸びなどをして様子を見ようと試みていた
(日番谷隊長を呼び捨てにしてるって凄いな…。イチゴってもしかしてさっき更木隊長に追いかけられてた人かな?)
「オイ松本!どうして黒崎を上がらせた?!」
「だぁって外で気分転換しようと思ったら一護が更木隊長に追いかけられてる所を見つけて。かなり焦ってたんで上げちゃいました。こちらとしては二人が近場で戦闘起こしちゃう方が問題なので。
っていうか一護、アンタ少しは霊圧抑えたら?相手が更木隊長とやちるだから良かったけど、普通なら嗅ぎつかれてるわよ」
「おっ、そっか!でも俺霊圧の操作とか下手だからなぁ」
奈々美が冬獅郎の後ろで背伸びをしていたお陰で、執務室にいるのがオレンジ色の髪をした少年という事が分かった
「…松本。その前にお前、外で気分転換とか言ってたか…?」
「…え?言ってました?そんなコト…」
「松本オオオオテメェサボろうとしてんじゃねぇぇぇぇぇ!!!!」
「アハハハ!やっぱスゲーな冬獅郎は。乱菊さんのいうとおりだ」
「どいつもこいつも人の事馬鹿にしやがって。楠木、お前は松本を見張ってろ。よっぽどの事がない限り外へ出すな。
…って何してやがる」