第2章 Opening
[千里眼]2
キィィィッ
「悪い遅くなった。待ったか?」
門が開くのと同時に聞こえてきた冬獅郎の声
「あ、大丈夫ですよ…っていうかどうしたんですか?そのお菓子」
「何故かここに来たときは浮竹から渡されるんだ。半強制的にな。いいからお前も少しは持て」
「もしかして日番谷隊長、浮竹隊長に自分の息子だと思われてるんじゃないですか?」
ピキッ
「じゃあお前は俺よりもチビだから娘に思われたりしてな。勿論俺の妹って事で」
それだけ言うと冬獅郎は奈々美に上の方に積んであったお菓子を分けた
「あー!いちご大福だー!これ食べてもいいですか?」
「…いいけど太っても知らねぇぞ」
奈々美がとびっきりの笑顔でこちらを見てくるので、ついついいじりたくなってしまう冬獅郎
「んもうどうしてそんな事言うんですかー!大体大福一つ食べったって変わんないですよ」
「じゃあ食えば良いじゃねえか」
そう言うと、またパァッと明るくなる奈々美の笑顔
直ぐに自分の手中にあったいちご大福の包装を取り、口へ運んだ
「ん~っ!久しぶりに食べた♡やっぱ美味しいなぁ」
(コイツの百面相…やっぱりたまんない)
冬獅郎が奈々美を見ていると、聞き慣れた二つの声が空を飛んでいた
「一護━━━っ!!どこ行ったァ!一角と戦って俺と戦わねぇなんざ許されると思ってんのかテメェ?!出てこーい!!」
「アレ?剣ちゃんあっちだよ!あっちにイッチーの霊圧がする!」
「ん?そうか?じゃあ行くか。案内しろよやちる」
「アイアイサー!!」
十一番隊の更木剣八と草鹿やちるだ
「…イチゴ?」
(なんだかシュールだな)
「!、黒崎か!ったくノコノコ現れやがって。何か嫌な予感するし。オイ楠木行くぞ!」
「うえっ?!はいっ」
(…それにしても何だろう?この独特な霊圧。感じた事もない。なんか十番隊に近づくに連れて大きくなってきてる)
それもそのはず
なんせ、あの男が追い回されてるにも関わらず大量な霊圧を垂れ流してるのだから
そしてこの後の出会いは双方にとってかけがえのないものとなっていくのであった
千里眼(センリガン):遠隔の地の出来事を直覚的に感知する神秘的能力