第2章 Opening
[暗々裏]1
奈々美たちが居酒屋にいた頃、冬獅郎は四番隊舎にいた
七〇三号室 雛森 桃
「雛森…」
病室の扉を開け彼女の眠るベットに近付くと付近にあった椅子に腰を下ろした
「おい雛森。楠木が護廷隊に入隊してきたぞ。しかも十番隊の三席だ。
アイツ、背も少し伸びてた。つって言っても俺よりはチビだが。そんで可愛くもなって綺麗にもなって…益々目が離せねぇんだよ。何でかな」
そう言葉を紡ぐ冬獅郎の顔がどんどん歪んでいく
「なぁ…。なんで覚めねぇんだよっ…。お前が意識不明だと分かってアイツは泣いてたぞ…?お前の為にさ。お前昔言ってたろ自分たちは三人兄弟でずっと一緒にいるんだって。言い出しっぺのお前がこんなんでどうするんだよ…
…って言っても無駄か」
一息おいて病室の窓から覗く夜空を見上げる
そこには一番星が輝いていた
(今頃楠木たちは楽しくやってるだろうか?男共に絡まれてなきゃいいけどな)
すると七〇三号室の戸が叩かれた