第2章 Opening
[宴会]2
部屋の中にいた者たちは突然開いた扉に驚き、こちらを凝視している
(なんかみんなこっち見てるし!恥ずかしいし、なんて言ったって怖いよ!)
奈々美は頬を紅潮させると下に視線を移し俯いた
「ちょっとぉー!アンタたち私抜きでナニ先に始めちゃってんのよー!声もうるさいし。
つうかアンタらどんだけ自分たちの隊長の悪口を大声で言えば気が済むのよ」
「あー!乱菊さん遅いっスよぉ。だって俺が待とうって言っても檜佐木センパイが始めようって言うんっスもん」
「スイマセン乱菊さん!何せ久しぶりだから我慢できなくって。さぁさぁ入って入って」
「…そう言えば松本さん、後ろの子は例の…?」
金髪の巨乳美女が言った後、眉毛から首筋にかけて刺青をしている赤髪、顔中が傷だらけで左頬に〈69〉と書かれ、袖無しの死覇装を着ている黒髪、
そして最後乱菊の後ろにひっそりと隠れている奈々美に唯一気づいた色白なクリーム色の髪の男がそれぞれ声を発した
「うえっ?!お前いたのかよ!…乱菊さんの後ろにいて全っ然気付かなかった…」
赤髪が素で驚いていまい、奈々美に視線を移すと、彼女は更に恥ずかしくなり顔を真っ赤にさせて部屋の床を見詰めていた
「奈々美アンタまだそんなウジウジしてたの?!ほら前に出て挨拶しなさい」
乱菊がまるで母親のように諭すと、少しずつ奈々美が一歩前進した
「きっ昨日付けで十番隊三席になりました。…楠木奈々美です。よっ宜しくお願いしますっ!」
最後の方はただならぬ緊張の所為か語尾が裏返ってしまった
(((…おっ、おふ…。スゲー可愛い)))
初めて心の声が一致した三人だった
しかし…
「きゃー奈々美やっぱ超可愛いー♡このまま家に連れて帰りたーい♡」
と気持ちは一致していても声に出してしまう者もいた
再び乱菊独特の攻撃が奈々美を襲う
「ぐっ…ぐぇっ」
神々の谷間に顔を押し付けられ、奈々美の首筋はギシギシと悲鳴を上げていた
だが内心どんな形であれ、自分の緊張をほぐしてくれた乱菊に自然と感謝の気持ちが湧いてきた
彼女本人は意のままに行動していただけだと分かっていても