第6章 NOTICE
[落月屋梁]2
なんだ 結局失恋じゃんかよ
こんな事を言う為にわざわざ乱菊さんを遣って私を呼び出しだの?
「ごめんね。こんな話をしようと思って奈々美ちゃんを呼んだ訳じゃないの。奈々美ちゃんを待ってる人がいるから本題に入るね。
…今日は謝ろうと思って。奈々美ちゃんに」
「謝る?」
(その前に待ってる人ってどうゆう事?)
そう言うと、桃ちゃんは私に目を合わせて来た
実際より久しぶりに彼女の目を見た様な気がする
「私、色んな言葉や態度で散々奈々美ちゃんを傷付けた。シロちゃんと仲良くしてるのに妬いてたの。大切な仲間なのにね」
「桃ちゃん…」
「私が最低な事をやったのは事実だし、それを水に流して貰おうだなんて思っちゃいない。でも奈々美ちゃん、これからもここに来てくれないかな?こんな事で私たちの絆を崩したくないの」
桃ちゃんの目が悲願の目に変わった
こんなに思い詰めててくれたんだな…
私の返事は、決まってる
「当たり前だよ!桃ちゃんか望むなら何でもするし、ここにも来る!だって姉妹に近い仲間でしょ? 私たち」
「うんそうだねっ!ありがとう」
桃ちゃんは笑顔を見せた
仲直り…できたんだよね?私たち
「あ、もうこんな時間掛かっちゃった。奈々美ちゃん十番隊に戻って!待ってる人がいる!」
「何なのその…待ってる人って」
「いいから!!」
えええええっっ??!!一体何なのよ?
折角仲直りできたのに、話す事もできないの?
でも桃ちゃんが行けって言ってるし…
「じゃあ明日また来るね?」
「分かった。待ってる」
私が帰った後、こんな会話が繰り広げられていたらしい
「それにしても君たちはクサい台詞を好むんだね。何だかこっちが照れてしまうよ」
「あ、吉良くん聞いてたの?駄目だなぁガールズトークを盗み聞きするなんて」
「まぁでも良かったじゃないか。君、ずっと気にしてただろう?」
「うん、スッキリした」
真夏の夕焼けが二人を包んだ瞬間だった
落月屋梁(ラクゲツオクリョウ):友人のことを思う情が切実であることのたとえ