第6章 NOTICE
[一衣帯水]1
『日番谷くんと奈々美ちゃんの前にきちんと乱菊さんに伝えなきゃいけない事があるんです』
『え?ナニナニ?』
時刻は今から約五時間前
乱菊が四番隊へ訪ねた所まで遡る
『それはですね?私、もう日番谷くんの事、好きじゃないんです』
『…………はっ?』
やはり桃のこのカミングアウトは、聞いた者を阿呆面にする能力があるらしい
『一体どうしたの急に…?』
そこで桃は先程冬獅郎にしたのと同じ説明をした
乱菊はそれを静かに聞いた
そして彼女の説明が終わった後…
『アンタの気持ちも分からなくはないけど、隊長や奈々美の事を考えると…』
(こんなオチってアリ…?)
乱菊は言い知れない虚しさを感じた
『だから、もし日番谷くんが私の本当の気持ちを知っていながら奈々美ちゃんに告白しなかった場合は、私があの二人をくっつけようと思います』
『!、待って、アンタ本気?!』
『当たり前じゃないですか。こんな冗談言えませんよ。あ、勿論乱菊さんも手伝ってくれますよね?』
『…いいのね?アンタはそれで』
嬉しい気持ちは山々だが急にコトが進んだ為、乱菊は桃へ確認をする
彼女は少し考えた様に黙ったが直ぐに言葉を返した
『…勿論です。でも一瞬の気の迷いでも日番谷くんに恋したのは本当の事だし、散々それで迷惑も掛けたし…。
だから罪滅ぼしっていう形でこの際だから二人をくっつけようと思ったんです』
(この子の決心が良い方向に出ればいいんだけど)
『じゃあ私が隊舎に帰ったら真っ先に奈々美に報せとくから』