第6章 NOTICE
[冷汗三斗]2
(ヤバイヤバイヤバイッッ!
こんな一大事に私ったらなんて失態してんのよ!! 自分が情けなさすぎる!
十番隊に帰って隊長に勘付かれないうちに奈々美を四番隊へ呼び出さなくちゃっ)
最早、今日の朝に『定時までには絶対終わらせる』と言った冬獅郎の言葉さえも忘れてしまってる乱菊
だが、これに関しては冬獅郎のいない今がタイミングとしては良かったのかも知れない
…本人は思ってもみない事だが
スパァンッ
「奈々美!!」
「きゃあああ!!…って乱菊さん!一体今までどこほっつき歩いてたんですか?!」
執務室の扉を開けた音が最大値まで引き上げられた
それまで一人で静かに乱菊を待っていた奈々美にとって、その音は心臓が止まる程驚くには十分過ぎる音だった
「ゴメンこの事は後できちんと謝るから!今はすぐに四番隊に行って!雛森が待ってる!!」
「えっ?!桃ちゃんがそんな事…」
(あんな別れ方をしたのに…)
「そんな事ある!!いいから今は四番隊に行くのよ!
ゴメンね私が八番隊で呑んでた為に…」
「呑んでた?!乱菊さん今まで八番隊で呑んでたんですか?!
…後できちんと日番谷隊長に報告させて貰いますので。それでは」
コホンと軽く咳をした後、奈々美は瞬歩でその場を去った
すぐそこまで冬獅郎が近付いて来ているとも知らずに…
「ふーっ。隊長もいないっぽいし、厠にでも行ったら帰るとしますか」
どこまで行っても能天気過ぎる松本乱菊であった
冷汗三斗(レイカンサント):冷や汗を大量にかくほど、非常に恥ずかしいこと