第6章 NOTICE
[冷汗三斗]1
「んあ…。あれぇ~ここどこぉ?い"ったー!頭いたぁい」
「あ、やっと目が覚めましたか乱菊さん。京楽隊長と呑んで直ぐに寝てしまったんですよ。今お水持って来ますね」
「ありがとう七緒ぉ」
乱菊は何とこんな時間まで八番隊で寝ていたのだ
桃との約束をすっぽかして
だが本人はまだそれに気付いていない様子
「はいどうぞ。あと京楽隊長が言ってましたよ?『いつもより全然呑んでないのに直ぐ寝ちゃってつまんない』って。
だから彼には普段通りに仕事やって貰ってますけど」
乱菊はコップに入った水を一口含んだ
冷たいそれは、乱菊の体に深く浸透していく
「いやぁね?こっちにも色々あんのよ。色恋沙汰とかね。…聞きたい?」
「い、色恋沙汰?!はい聞きたいです是非!!」
七緒はこれ以上ない目の輝きを見せた
「実はねぇ?奈々美と隊長が…。いや待って何かあったな。大事な約束が…。雛森…、雛森!!
あ"━━━っっ!!!」
急に両手で頭を抱え、発狂した乱菊に七緒は驚いた
「どうしたんですか乱菊さん急に?!」
「ゴメン七緒!この話は今度必ずするから!取り敢えず私は十番隊帰るわ。大切な約束思い出したの!!」
コップを七緒に渡すと乱菊は一瞬でその場から消えた
「どうしたのぉ七緒ちゃん」
「あ、京楽隊長。なんか乱菊さん大切な約束をしてたみたいで…」
騒ぎを聞きつけた京楽が、乱菊の休んでいた和室へと顔を覗かせた
彼女がいなくなったそこは、もぬけの殻であった
「約束…ねぇ」