第6章 NOTICE
[咀嚼玩味]1
*冬獅郎side*
結局、松本は定時までに戻って来る事はなかった
楠木に俺が焦ってる理由を言わないまま、二人で書類をやりまくった
それでも定時までには何とか終わらす事ができた
楠木にとっちゃあとんだ迷惑なんだろうけど
「お疲れ様です日番谷隊長。お茶、飲みますか?」
「ああ悪いな。一杯だけ貰うよ」
はい と笑顔で言って、背中を向け小走りで執務室を出て行った
アイツが動く度に揺れる淡いクリーム色の髪、華奢で小さな背中
もう全てが愛しくてたまんない
別に恋人同士って訳じゃねぇんだけどな
「お待たせしました」
暫くして楠木が茶を持って来てくれた
本当は飲んでからすぐ四番隊に出向こうとしたが、少しでも楠木との時間を作りたい為、俺はゆっくり話してから瞬歩て向かおうと決めた
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「楠木、もう仕事終わったんだし、部屋に帰っていいんだぞ?」
「いいんです。多分乱菊さんここに帰って来ると思いますから。それまで待ってます」
俺が隊舎から出る際に門まで送ってくれた
できた女だなぁとつくづく思う
こんなだから昔からコイツはモテんだよなぁ
「じゃあ、行って来る」
「気を付けて行ってらっしゃい。…どこ行くか知りませんけど」
最後の方は少し拗ねていた
まぁそんな顔すんなよ