第6章 NOTICE
[陰陽和合]2
*冬獅郎side*
「遅いっ!!」
ガシャンッ
「日番谷隊長、そんにピリピリしなくてもいつもの事じゃないですか」
「お前は黙ってろ楠木!大体四番隊の奴らに松本の野郎が呼び出されてから何時間掛かってると思ってやがる!」
「…二時間?」
「そうだ二時間だ!朝俺が『今日用事があるから早めに終わらすぞ』と言ったのに、アイツは何故二時間も余裕でサボれるんだ!あーもーイライラする!!」
俺は自身の髪をガシガシかきむしった
楠木が哀れな目をしてこちらを見ている
今日という今日は絶対定時までには終わらせなきゃいけねえってのに!
「もう日番谷隊長髪の毛ボサボサですよ?」
「んあ?いいんだよ別に。ワザとボサボサにしたんだ…か…ら」
気が付くと楠木が俺の背後に回り、髪を綺麗にとかしてくれていた
「…ぁりがとよ」
「フフッ。どう致しまして。って言うか隊長の用事って何ですか?」
『雛森の所に行ってきちんと自分の気持ちを伝える』
なぁんて事、オメーに言える訳ねぇだろうがよ
俺の髪を整い終えたのか、そっと楠木の指が俺から離れた
それすら淋しく感じてしまう俺は、相当コイツにハマってるらしい
「ばーか。お前には言わねぇよ」
「えー気になるじゃないですかぁ」
「気にしとけ」
(そんな夏のお話)
陰陽和合(インヨウワゴウ):相対する二つのものが、程良く調和している様子