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BLEACH第一章『Opening』

第6章 NOTICE


[遠慮会釈]2



「今日はお願いがあって呼んで貰ったんです。…もう乱菊さんにしか頼めなくて…」

「そんな事かと思ったわ。で?どうして欲しいの?」

笑顔で優しく自分の背中を押してくれた乱菊に、桃は自然に言葉が出た

「奈々美ちゃんに、会いたいんです」

「…雛森アンタ…」

「自分から拒否っておいて今更会いたいだなんて自分勝手だし、ムシが良すぎるのも分かってます。
でも私から出向く事はできないし、かと言ってこのままだと本当の意味で私たちは駄目になる。だから…っ」

「分かったわ。大丈夫よ、アンタはここで待ってなさい」

桃の言葉を遮る様に乱菊は言った
右手で彼女の頭を撫でると、まるであやす様に乱菊は言葉を発した

「偉くなったわねぇ雛森、アンタまた一歩前進した。奈々美なら大丈夫、アンタを恨んでなんかいないから。きっと瞬歩で駆けつけて来るわよ」

「…でも私奈々美ちゃんに酷い事をした。いくら奈々美ちゃんの人が良くたって嫌われるのがオチですよ。私がしたみたいに…」

バコッ

「いっ…」

桃が弱音を吐いた途端、自分の頭を撫でる優しい手が凶器へと変わった

「アンタ一体私に何回大丈夫って言わせりゃあ気が済むのよ!!奈々美は絶対駆けつけて来る、誓って!
アンタが呼び出すのにそんなメソメソしてて良いわけ?!」

一回息を整えると、乱菊は決め台詞を吐いた

「雛森は私よりあの子の事をずっと理解してるでしょ?だったら幼馴染みらしく最後まで全力でぶつかって来なさい!」

「はいっ!」

桃はこの時久しぶりの清々しい笑顔を見せた

「あ、それと日番谷くんと奈々美ちゃんの前にきちんと乱菊さんに伝えなきゃいけない事があるんです」

「え?ナニナニ?」

「それはですね?━━━」




桜が散り、梅雨も明け、気付けばもう季節は夏

新たなる恋、そして新たなる戦いが始まろうとしていた



遠慮会釈(エンリョエシャク):人に対して控え目にしたり、気持ちを思いやったりすること


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