第6章 NOTICE
[遠慮会釈]1
ある昼頃、四番隊の病室の窓から外の景色を眺める少女の姿があった
「やっぱこうして見ると瀞霊廷って狭いんだなぁ」
実際そんなに狭くはないとしても、所狭しと並ぶ家々
そして遠く離れた場所でも変わらず威厳を漂わせる双極の丘は、嫌でも彼女をその気にさせた
(…そろそろシロちゃんが来てもおかしくない。でもその前に私はやらなくちゃいけない事がある)
そう思っていた時、病室の扉が開いた
「どうしたの雛森。四番隊の子を遣ってまで私を呼び出して」
「すみません乱菊さん。お手数お掛けしちゃって」
そう、ここに来たのは十番隊の乱菊だった
この二人の再会は乱菊が桃に渇を入れてから初めてとなる
「いいのよ。どーせ暇だからさっ」
「あははは…。そうですね」
苦笑いをして思った事
『そりゃオメーは暇だろうよ』
(こんな事、口が裂けでもシロちゃんには言えない…)