第6章 NOTICE
[牽強付会]2
だから俺はお前が身を滅ぼす前に支えてやる
ずっと側にいてやる
その為には雛森にきちんと自分の気持ちを伝えなければならない
「やっぱり俺はお前の側にいるよ。ずっと俺が守ってやる」
「えっだからそれは…」
あから様に拒否ってんじゃねぇよ…
傷付くだろうが
「うるせぇ。異論は聞かねぇ。お前がどう言おうと俺が勝手にそう決めたんだ。そうさせて貰う」
「…分かりました。宜しくお願いします」
そうだ
お前はつべこべ言わずそう言ってりゃあいいんだ
ったくこの前から変な心配させやがって
「そうだ日番谷隊長、聞きたい事があるんですけど」
「何だ?」
思い出した様に問われた
だがその質問は言い覚えのない物だった
「私は、あの子たちの気を飛ばせる程の霊力は多分持ってませんよ?」
「…は…?」
なんて言葉足らずなんだ
急にこんな事言われて分かる筈がないだろう
「え、だって言ったじゃないですか日番谷隊長。六番隊の二人に向かって『楠木はお前ら二人の気を一瞬で失わせる事ができる』って。
あれぇ~?隊長自分で言った事忘れちゃったんですかぁ?」
最早松本化してるなコイツは
つうかそれを先に言えよ、ちっとも分かりゃあしない
「馬鹿野郎お前の言い方がいけねぇんだ。俺は自分が言った事ぐらいは覚えてる」
「じゃあどうして」
「うーん…勘かな」
と言うかノリと言うか…
「勘、ですか」
「うるせぇ別にいいだろ!あそこでアイツらをビビらせるには丁度良かったんだよ!」
ここで寝ている筈の松本の口元に微かな笑みが浮かべられていた事は誰も知らない
牽強付会(ケンキョウフカイ):自分の都合のいいようにこじつけること