第6章 NOTICE
[牽強付会]1
*冬獅郎side*
『山本総隊長直々の命っス』
阿散井が言った言葉
その時はどうも思わなかったが、いざこうして考えてみると一つの疑問が浮かぶ
『これに関して中央四十六室は動いていないのか』
あの四十六室がこの件を知っていながら処罰を総隊長に任せたとは考えにくい
まぁだが四十六室自体も新設したばかりだしな
それどころじゃねぇんだろうよ
そこで俺はある考えに辿り着いた
『総隊長は四十六室には一切報告してない。全て独断で執り行った』
死神通しの、しかも席官通しの小競り合いなんざ、わざわざ上に報告しなくもいいってか
益々読めねぇジィさんだな…ったく
『それじゃクビ同然じゃないですか! なにもそこまで…!』
俺が途中で止めちまったが楠木は罪が重すぎると言う事を言いたかったんだろう
そう考えると、ジィさんの考えの方が良かったのかもな
四十六室はそれ以上もやりかねない
…楠木、お前は優しすぎる
それだといつかその優しさが身を滅ぼしかねなくなる
前に俺は雛森を守ってくれって言われた
でもそれじゃあ意味がない
目の前にいるこの女を守れなきゃ意味がねぇんだよ
好きだからさ━━━