第6章 NOTICE
[秋霜烈日]1
翌日、普段通りに朝が迎えられ、また人々も普段通りの生活を送っていた
だが十番隊隊舎だけはいつもとは少し異なる朝が来ていた
「日番谷隊長、只今戻りました…ってあれ? 恋次に…朽木隊長?」
書類の配布が終わり、執務室に戻ってきた奈々美
彼女の目に映ったのは、ソファに座っている白哉に恋次、そしてその向いに座っている冬獅郎の姿だった
みなが真剣な面持ちをしている
「丁度良い時に帰って来たな。楠木、ここに座れ」
そう言い、冬獅郎は自分の隣を差した
この時点で奈々美は理解ができた
『昨日の事でお見えになられたのだ』と
小さく返事をし、隣へ座る
恋次は奈々美の腕に巻かれた包帯を見て、更に一層眉間に皺を寄せた
「今日ここへ参ったのは他でもない。我が席官隊員の非道な行為について謝らせて欲しい」
そう言うと二人は深く頭を下げた
四大貴族の朽木家当主が一死神の為に頭を下げるという行為は凄く稀な事であり、同時にプライドを深く傷つける事であろう
だがそれは、プライドとか言う以前に白哉自身の誇りの問題であった
「許して欲しい等とは言わぬ。何なら尸魂界全土に今回の事を言いふらしても構わぬ」
「…頭を上げてくれませんか?朽木隊長、阿散井副隊長」
奈々美は正直白哉がここまで言いのけるとは思ってもみなかった
偏見だが、流魂街出身の者たちにとって貴族という存在は金で事を解決するしか能がないと少なからず思っていたからだ