第6章 NOTICE
[参差錯落]1
*桃side*
堂々行くって決めた
もう大切な人を二度と失わないって、心に決めた
「奈々美ちゃんって今どうしてるの?大丈夫なの?」
本当はこんな事聞きたくないのに、つい聞いてしまう
それは自分があの子にしてしまった事に対しての罪悪感から来るものなのか、はたまた幼馴染みに対するせめてもの同情なのか…
そんなものは分かりたくもない
ただ、聞いただけ…
「楠木は今十番隊にいる。松本がどうにかしてくれてるだろうよ。
俺にはもう…何もできない。アイツを守る事さえも」
どうしてそんなに悲しそうな顔をするのよ
どうしてそんなに奈々美ちゃんの事になると言葉数が増えるのよ
いつもそう
奈々美ちゃんの話をする時は凄く生き生きしてるのに、違う話になるとすぐ黙り込む
シロちゃんの唯一嫌いな所はソコ
私の気持ちなんてこれっぽっちも考えてやしないんだから
「楠木は俺が守るって。アイツだって最初は喜んでたんだよ。それなのに俺が四番隊に行くって言ったら急に『守らなくていい』って言いやがるし…。雛森の側にいろってとうゆう事だよ…?」
ホラね 聞いてもないのに奈々美ちゃんの話
この恋の結末は見えてんだよ
でも頑張るの 一瞬でも貴方に振り向いて欲しいから